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風邪薬はない?

2018.04.01

今回は、風邪に対する薬の話です。

 

「風邪の特効薬ができたら、ノーベル賞ものの大発見」と言われています。

「あれ?」と、不思議に思ったでしょうか。

風邪を引いて病院やクリニックにかかったら、大抵の場合、薬を処方されますよね。

「あれらの薬は効かないの?」と思ったかもしれません。

風邪のときに処方される薬は、症状をおさえる薬であって、根本的に治す薬ではないのです。

たとえば、のどが痛いときにのどの炎症をおさえる薬が処方されたり、咳が続くときに咳を止める薬が出たり、痰が出るときに痰を出しやすくする薬が処方されたり……。

これらは風邪によるつらい症状をおさえる薬であって、風邪そのものを治すのは、自分自身の免疫力です。

 

抗生剤は風邪を治すものではない

では、「抗生物質(抗生剤)」はどうでしょう?

風邪のときに抗生物質を処方された経験がある方も少なくなくいらっしゃるでしょう。

 

抗生物質とは、細菌を殺す薬のこと。つまり、抗菌薬です。

でも、風邪の原因のほとんどは、細菌ではなくウイルス。

ウイルスが鼻やのどに侵入し、炎症を起こし、くしゃみや鼻水、のどの痛み、咳、痰、熱といった症状を引き起こすのが風邪なのです。

風邪の原因はウイルスで、抗生物質がやっつけるのは細菌なので、風邪を治すために抗生物質(抗菌薬)を服用しても治りません。

ではなぜ抗生物質が処方されることがあったのかというと、風邪をこじらせて肺炎などになるのを防ぐためなのですが、その予防効果は証明されていません。

 

厚労省の「手引」では

厚生労働省は昨年、抗生物質の使い方の指針となる「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版」を公表しました。

この手引きが作られたのは、医療費の抑制という目的もあるのだと思いますが、抗生物質の使用量が増えることで、「薬剤耐性菌」(薬に対して抵抗性をもってしまい、その薬が効かなくなる菌)が増えてしまうことを危惧してのことです。

 

この手引きでは、感冒(いわゆる風邪)に対しては、「抗菌薬投与を行わないことを推奨する」と明記されています。

 

「薬を出さない」というサービス?

さて、4月の診療報酬改定で、“不必要な抗生物質(抗菌薬)を出さないこと”に対する評価が新たに設けられました。

小児の患者さんに対する外来ですが、抗生物質(抗菌薬)が必要ないことを説明した上で、療養上の指導を行った場合(急性気道感染症と急性下痢症が対象)に、診察料に少しプラスしますよ、というもの。

患者さんにとっては、「薬を出されないこと」にお金を支払うことになり、「なんだか……」と思うかもしれません。

でも、将来的な薬剤耐性菌をつくらないことにお金を支払うと考えていただければ、納得がいくのではないでしょうか。

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