医療お役立ちコラム

ジェネリック医薬品は安いだけ?

2018/05/01

「ジェネリック医薬品」という言葉は、すっかり浸透していると思います。
先発医薬品と同じ有効成分を使い、品質、効き目、安全性が同等であることを厚生労働省が認めた薬(後発医薬品)のことです。

新薬の開発には、大きな費用と年月がかかります。
そのため、開発した製薬会社は、特許を出願し、基本的に20年間(最大で25年)は、その薬を独占的に製造・販売することができる権利が与えられます。
その特許期間が過ぎ、ほかの製薬会社が同じ有効成分をつかって製造・販売したものがジェネリック医薬品(後発医薬品)です。研究開発にかかるお金、年月が少なくてすむ分、新薬に比べて価格が安いのが、ジェネリック医薬品の最大の特徴です。

新薬とジェネリックは同じ?

ジェネリック医薬品は、同じ有効成分を同じ量使ってつくられています。
効能・効果、用法・用量も、基本的には同じです(例外的に、先発品の特許が一部有効であるなどの理由で異なるケースがあります)。

では、先発医薬品とジェネリック医薬品(後発医薬品)はまったく同じなのか、と言えば、そうとは限りません。
有効性や安全性に影響が出ない範囲で、先発医薬品とは異なる添加剤が使われていることがあるのです。そのため、色や形、味、においなどが異なるケースがあります。

「添加剤が違うということは、やっぱり同じとは言えないのでは?」と思うかもしれません。
たしかに稀に、使われている添加剤が体質的に合わない場合もあります。
でも、むしろ、後からつくられている分、服用しやすいように改良されているジェネリック医薬品もあります。

「オーソライズド・ジェネリック」とは?

最近では、先発医薬品の製薬会社が認定し、子会社や関連会社などから、有効成分だけではなく、添加物も製法も同じものをジェネリック医薬品として販売することがあります。
これが、「オーソライズド・ジェネリック」です。
オーソライズド・ジェネリックのなかには、先発医薬品と同じ工場、同じ生産ラインでつくられているものもあります。
つまり、先発医薬品と、色も形も味も製造方法まで同じで価格が安いのが、オーソライズド・ジェネリックです。

薬局でジェネリックに変えられるの?

薬には、「一般名」と「製品名」の2つの名前があります。
一般名とは有効成分の名前のことで、製品名は製薬会社がつけた名前です。
つまり、先発医薬品とジェネリック医薬品は、一般名は同じで、製品名は異なるということ。

処方せんに、薬の名前が一般名で記載されている場合、薬局でジェネリック医薬品を選ぶことができます。
一方、処方せんに製品名で書かれていても、「変更不可」欄に「×」や「✓」がついていなければ、薬局でジェネリック医薬品を選ぶことができます。

また、ジェネリック医薬品を試してみたけれど、やっぱり先発医薬品に戻したいということもあるかもしれません。それももちろん可能です。
一般名で記載されている、変更不可の記載がないということは、「先発医薬品でもジェネリック医薬品でも、患者さんが選んでいいですよ」ということ。
ただし、薬によってはそもそもジェネリック医薬品がない、在庫がないということもありますので、薬局で薬剤師にご相談ください。