医療お役立ちコラム

消費税増税で薬代は?

2019/10/01

10月から消費税が8%から10%に変わりました。

今回の増税では新たに「軽減税率」が設けられ、「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)」は8%のまま据え置かれることになりました。このことは、皆さんご存知だと思います。

では、薬はどうでしょうか?

薬は軽減税率の対象になる?

薬も、飲食料品と同じように体に摂り入れるもの、ですよね。

だから、軽減税率の対象になるのでは……と思う方もいるかもしれませんが、ここで言う飲食料品とは「食品表示法に規定する食品」のこと。

薬は、含まれません。つまり、薬は軽減税率の対象ではありません。

では、薬も10%の消費税がかかるのかと言えば、もう少し、説明が必要です。

処方薬は非課税

まず、薬と言われるものには、「医療用医薬品」と「OTC医薬品」の2種類があります。

医療用医薬品とは処方薬のことで、医師の処方せんをもとに処方される薬です。

OTC医薬品は、いわゆる市販薬のことで、薬局やドラッグストアなどで自ら選んで買うことのできる薬のこと。

このうち、医療用医薬品(処方薬)には、保険診療の範囲内であれば消費税は課税されません(自由診療では課税されます)。

病院やクリニック、薬局で薬をもらうときに、領収証や明細書を確認してみてください。

「消費税」はかかっていませんよね。

ただし、増税がまったく関係ないのかと言えば、そうではありません。

薬代には消費税分も含まれている

病院やクリニック、薬局も、棚に置いている薬は卸会社などから購入しています。

そして、卸会社などから薬を購入するときには、薬代とは別に消費税を支払っています。

ところが、患者さんに薬を提供するときには、保険診療であれば、患者さんから消費税をもらうことはありません。

それでは、病院やクリニック、薬局側の負担が大きくなってしまうので、「薬価」に消費税分を上乗せすることで、病医院や薬局側の負担を減らしているのです。

ちなみに、薬価とは、薬の公定価格のこと。病院やクリニック、薬局で患者さんが支払う薬代のことです。これは全国一律で国が決めています。

つまり、患者さんは、目に見える形で消費税を支払っているわけではありませんが、そもそも薬代に消費税が加味されているので、間接的に負担しているということです。

薬代の改定が行われます

では、今回消費税が10%となったことで薬代はどう変わるのでしょうか。

消費税増税に伴い、臨時の薬価改定が行われます。

ただし、すべての処方薬が高くなるのかと言えば、そうではありません。

「実勢価格」といって、病医院や薬局が卸業者からどのくらいの価格で購入しているのかということも加味して改定が行われるので、実勢価格が下がれば、消費税分が加味されても薬価としては下がるものもあります。

ですから、処方薬の場合、今回の臨時の薬価改定で、薬代が上がるものもあれば下がるものもあります。

市販薬は消費税10%に

一方、OTC薬(市販薬)のほうは、薬局やドラッグストアで購入するときに消費税がかかっていますよね。

軽減税率の対象ではないので、OTC薬(市販薬)は消費税が10%に上がる分、高くなります。 ちなみに、サプリメントや健康食品は食品の一部なので、軽減税率の対象となり、消費税は8%のままです。