医療お役立ちコラム

新型コロナに効く食品はあるの?

2020/06/01

新型コロナウイルス感染症の予防に効くという噂から、一時期、スーパーで納豆が品切れになっていました。今でもやっぱり人気のようで、近所のスーパーに行くと、相変わらず品薄状態が続いています。

消費者庁は、5月1日付で、「新型コロナウイルス予防に根拠のあるサプリメントや特定の食品はありません」と注意喚起を行っています。新型コロナウイルスはその性質が十分には明らかになっていないので、「予防に効く」「増殖を抑える」といった根拠のある食品もサプリメントも今のところありません。もちろん、納豆も含め、です。

そのうえで、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所が、「新型コロナウイルス感染予防によいと話題になっている食品・素材について」の情報をまとめていますので、ご紹介します。

インフルエンザなどへの効果が報告されている食品

まず、医薬基盤・健康・栄養研究所も「現時点で、新型コロナウイルスに対する効果を示した食品・素材の情報は見当たりません」と強調しています。そのうえで、同じウイルス性感染症であるインフルエンザや風邪などに対する研究結果がまとめられています。

5月末時点で紹介されているのは、納豆や乳酸菌・ビフィズス菌、カテキン、みそ・大豆など、25品目について。
このうち、予防効果があるとの報告が確認されているものは、ビタミンD、プロバイオティクス(乳酸菌・ビフィズス菌など)、プレバイオティクス(β-グルカン、オリゴ糖など)、亜鉛、エキナセア、ラクトフェリン、緑茶カプセル、カテキンの8品目だそうです。
ただし、これらのうち、ビタミンDとプロバイオティクス、プレバイオティクス、亜鉛、エキナセアの5品目は「予防効果がある」という報告と「予防効果はない」という報告の両方がある、とのこと。

緑茶、ラクトフェリンの予防効果は

カテキンは、お茶に含まれる苦み成分です。
21~69歳の健康な成人200人を対象にした研究で、カテキンとテアニン(緑茶に含まれる旨味成分)の摂取によってインフルエンザの発症率の低下、摂取開始から発症までの期間延長が認められたことが報告されています。

緑茶カプセルについては、風邪やインフルエンザの発症率の低下、症状の持続期間の短縮が認められたという論文があるそうです。

ラクトフェリンとは、母乳や哺乳動物の乳に多く含まれている成分です。ラクトフェリンを追加したヨーグルトなども売られていますよね。
ラクトフェリンについては、乳清タンパク質と一緒に摂取したところ、風邪の発症率の低下が認められたという報告があるそうです。

「感染症に効く」とは言えない

ただし、カテキンにしても、緑茶にしても、ラクトフェリンにしても「風邪に効く」「インフルエンザに効く」と結論づけられるほど十分な情報があるわけではない、とも指摘されています。
なおかつ、冒頭でも書いたように、新型コロナウイルス感染症に対しての効果は確認されていません。新型コロナウイルス感染症予防のためには、特定の食品を意識的に摂ることよりも、うがい・手洗いやバランスの良い食事、軽い運動、十分な睡眠といった基本的な生活習慣のほうが大事なようです。