医療お役立ちコラム

手作りの布マスク、新型コロナにどのくらい効果あり?

2020/12/01

外出時にマスクをつけるのは、もはや当たり前になっています。

一時のような「店頭にマスクがない!」という事態もなくなり、いろいろな種類のマスクが売られていますが、マスクの種類(素材)によって効果に違いはあるのでしょうか?

布マスク、サージカルマスクでどのくらい予防できるのか

「マスクなし」に比べて、「布マスク」「サージカルマスク」「N95マスク」をつけた場合には、ウイルスを吸い込む量はどのくらい変わるのか――。

これについて、実物の新型ウイルスとマネキンを使って調べたのが、東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らの研究グループです。

この研究では、2体のマネキンの頭部を50センチ離して向かい合わせに置き、一方は“感染者”に見立てて、新型コロナウイルスを含む飛沫とエアロゾルを、人の咳と同じような速度で口元から放出させ、もう一方のマネキンがどのくらい吸い込むかということを、「マスクなし」「布マスク」「サージカルマスク」「N95マスク」で比べました。

まず、飛沫を吐き出す側(感染者側)はマスクをつけず、吸い込む側(非感染者側)がマスクをつけた場合には、「マスクなし」に比べて、「布マスク」ではその60~80%程度に、「サージカルマスク」では50%程度に、「N95マスク」をぴったりフィットさせてつけた場合には10~20%に、ウイルスを吸い込む量を抑えられることがわかりました。

どのマスクでも一定の効果がありますが、やはり、N95マスクはさておき、サージカルマスクに比べても布マスクでは、ウイルスを防ぐ効果が少し落ちるようです。

ウイルスをまき散らすのを防ぐ効果は?

次にウイルスを吐き出す側(感染者側)がマスクをつけて、吸い込む側(非感染者側)はマスクをつけなかった場合には、「布マスク」や「サージカルマスク」でもマスクをつけなかった場合の20~40%に抑えられることがわかりました。ちなみに、実際には感染者がN95マスクをつけることは想定されませんが、N95マスクをつけた場合にはほぼ0%に抑えられたそうです。

吸い込む側のみがマスクをつける場合に比べて、吐き出す側がつけたほうが、より効果が大きいことがわかります。以前から言われていたように、マスクは、飛沫を飛ばすのを防ぐという効果が、より大きいようです。

20種類ものマスク素材を検証

イギリスのケンブリッジ大学の研究者らは、デニム生地やシャツ用の綿、ナイロンなど手作りマスクに使われるような20種類もの素材について、超微粒子をつかまえる割合について検証しています。

この研究で調べたのは、ウインドブレーカー、デニム、ウールフェルト、厚手の綿織物、靴下素材、キルティングコットン、シャツ用綿、ナイロン生地、厚手・薄手のTシャツ、不織布の接着芯……などのさまざまな布のほか、掃除機用パック素材も含めた20種類。

いずれの素材でもある程度は超微粒子をつかまえてくれることがわかりました。とくに、単層の布よりも、2層以上に重ねて使ったほうが、効果が高まることもわかっています(ただし、息苦しさが増すというデメリットも)。

この研究では、「層状の一般的な布で作られたフェイスマスクが超微粒子のろ過に役立ち、市販のフェイスマスクが利用できない場合に着用者をある程度保護できる」だろう、と結論づけています。

こうした研究結果からわかるのは、手作りの布マスクでも、お互いにマスクをつけていればかなりの割合でウイルスを吸い込むことを防げる、ということ。ただし、河岡教授らの研究では50センチという距離を保って検証しているように、マスクをつけていてもソーシャルディスタンスも大切です。

◎参照

東京大学「新型コロナウイルスの空気伝播に対するマスクの防御効果」

https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/content/000003662.pdf

BMJ Open. 2020 Sep 22;10(9):e039424.

「Ability of fabric face mask materials to filter ultrafine particles at coughing velocity」

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32963071/