医療お役立ちコラム

そもそもワクチンってどんなもの?

2021/04/01

新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が、国内でもはじまりました。気になっている方は多いと思います。

そもそもワクチンとはどういうものなのか――。

そんな基本中の基本からお伝えします。

そもそもワクチンとは?

ワクチンとは、感染症を起こす病原体(ウイルスや細菌など)を弱毒化したもののこと。

ワクチンを接種すると、体内に免疫をつくられ、感染症の原因となる病原体に晒されても、感染症にかかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりする、というものです。

ワクチンにはいろいろな種類がある

「ワクチン」と一言で言っても、じつはいくつかの種類があります。

●生ワクチン

名前のとおり、生きているウイルスや細菌が入っているワクチンです。

といっても、病原体をそのままだと副反応が強くなります。そのため、ウイルスや細菌の毒性を弱めて、病原性をなくしたものを原材料としてつくられます。

ただ、弱毒化しているといっても生きているので、ウイルスや細菌が体内で増殖し、それによって免疫が高まっていきます。

麻しん風しん混合(MR)ワクチンや水ぼうそうワクチン、BCG、おたふくかぜワクチンなどが、生ワクチンに該当します。

●不活化ワクチン

死んだ病原体の一部をワクチンとして接種するというもの。ウイルスや細菌の感染力や毒性をなくして、免疫をつくるのに必要な成分のみを使ってつくられます。

自然な感染や生ワクチンに比べると生み出される免疫力は弱いので、複数回の接種が必要なものもあります。

インフルエンザワクチンのほか、日本脳炎、百日咳・ジフテリア・破傷風の三種混合ワクチンなどがこのタイプです。

●組み換えタンパクワクチン

ウイルスや細菌のたんぱく質の一部を遺伝子組み換え技術を使って人工的につくりだしたもの。

攻撃の目印となるたんぱく質を人工的につくって投与することで、体内で病原体を攻撃する抗体がつくられます。

●メッセンジャーRNAワクチン

メッセンジャーRNAとは、たんぱく質をつくるための設計図のこと。

病原体のたんぱく質をつくるための設計図(メッセンジャーRNA)を主成分としたのが、メッセンジャーRNAワクチンです。

人工的につくられたメッセンジャーRNAを投与することで、体内で特定のたんぱく質がつくられ、これに対する免疫(抗体)がつくられます。

●ウイルスベクターワクチン

「ベクター」とは運び屋のこと。病原体のたんぱく質をつくる遺伝子を、別の無害なウイルスに組み込んで、そのウイルスごと体内に投与するというもの。

つまり、無害なウイルスを“運び屋”として使って、遺伝情報を届けます。

そうすると、体内で特定のたんぱく質がつくられ、抗体がつくられるというのは、メッセンジャーRNAワクチンと同じです。

●DNAワクチン

人工的につくったDNAをワクチンとして接種するもの。

投与されたDNAは、体内の細胞内の核に入り込んでメッセンジャーRNAをつくりだし、それによって特定のたんぱく質がつくられることで、抗体がつくられます。

新型コロナのワクチンは?

インフルエンザや風しん、水ぼうそうなど、これまでに主に使われていたワクチンは、生ワクチンか不活化ワクチンでした。ただ、これらの従来型のワクチンは、病原体そのものを培養して増やすというステップが必要で、とても時間がかかります。

そこで、新型コロナウイルス感染症に対しては、従来型のワクチンとは異なるタイプのワクチン、つまりは、「遺伝子ワクチン」とも呼ばれる、メッセンジャーRNAワクチン、ウイルスベクターワクチン、DNAワクチンが開発されています。

現在、日本政府が契約を交わしているファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社のワクチンは、ファイザー社とモデルナ社がメッセンジャーRNAワクチン、アストラゼネカ社がウイルスベクターワクチンです。

◎参考

厚生労働省「新型コロナワクチンについてのQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00222.html#004

NHK「特設サイト 新型コロナウイルス」ワクチンQ&A

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/qa/detail/qa_01.html#mokuji0