医療お役立ちコラム
錠剤をくだいて飲んでもいいの?
2021/09/01
錠剤が大きくて飲みにくいとき、「割ったり砕いたりして飲んでもいいのかな」と思う方もいるでしょう。また、睡眠薬や安定剤を減薬したいときに半分に割ったり、砕いたりして量を調節している人もいらっしゃるかもしれません。
このように、薬を割る、砕くときの注意点をお伝えします。
砕いたらいけない錠剤の理由
まず「飲みにくいから」という理由で錠剤を割ったり噛み砕いたりして服用してもいいのかというと、問題のない場合と、問題がある場合があります。
ですから、結論から言えば、まずは薬局の薬剤師や主治医に相談してほしいと思います。
では、どういう場合に割ったり噛み砕いたりすると問題があるのかというと、代表的なのが、表面にコーティングがしてある場合です。コーティングには、当然、目的があります。
・苦みやにおいをおさえて飲みやすくする
・胃ではなく小腸でとけるように工夫されている(腸溶性コーティング)
・薬の効果を持続させるために少しずつ薬の成分がとけるように工夫されている(徐放性コーティング)
このような目的をもってコーティングされている薬を割ったり噛み砕いたりして服用すると、苦みがきつくてかえって飲みにくくなったり、胃酸で溶けて効果がなくなったり副作用が出たり、効果が持続しなくなったり……と、困ったことになります。
ですから、「錠剤のままでは飲みにくい」というときには、まずはご相談ください。
服薬補助ゼリーやオブラートで包んで飲み込むという方法もあります。
薬局で錠剤を粉薬にすることもできる
睡眠薬や安定剤などは、量を調節して服用する場合もあると思います。
減薬・断薬をする場合には、少しずつ量を減らしていく方法が一般的です。
錠剤には「割線」といって、真ん中にラインが入っているものが多く、半分に割ることはできても、それ以上小さく割ることは難しいものです。
市販のピルカッターなどを使って小さく切るという方法もありますが、医師の承認を得たうえで、薬局で錠剤を粉末状にするという方法もあります。粉末(粉薬)にすると、細やかな量の調整がしやすくなります。
薬局で錠剤を粉末状にする場合には、「自家製剤加算」という名目で調剤料が少し高くなりますが、どの薬局でも対応することができます。
ただし、睡眠薬にしても安定剤にしても減薬・断薬を考えている方は、まずは主治医に相談しましょう。