医療お役立ちコラム

花粉症、市販薬でいいの?

2023/03/01

今年も花粉症の人には辛い季節になってきました。花粉症の市販薬のCMもよく見かけますよね。今回は花粉症の市販薬の使い方についてお伝えします。

市販薬の使い方

市販薬の使用は、基本的には“応急処置”と考えてください。「忙しくて病医院に行けない、でもツライ症状をどうにかしたい……」というときの応急処置です。

ちゃんと症状を抑えたい、根本的に治したいと思ったら、耳鼻咽喉科などにかかって、適切な診断・治療を受けましょう。

一方、すでに診断はついていて、毎年処方されていた薬がすでに市販薬になっていて(スイッチOTC医薬品)、その薬で症状が治まる場合、市販薬を上手に使うことも一つの方法です。

鼻症状によく使われる「第2世代抗ヒスタミン薬」

ただ、いざ花粉症の市販薬(スイッチOTC医薬品)を買おうと薬局やドラッグストアに行くと、たくさんの種類があって悩んでしまうのではないでしょうか。

花粉症の治療薬としてよく使われるものに「第2世代抗ヒスタミン薬」というグループがあります。これは、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会の「鼻アレルギー診療ガイドライン2020版」でも、鼻の症状に対する治療薬として、「鼻噴霧用ステロイド薬」とともに推奨されている薬です。特に、くしゃみと鼻水が主症状の方に効果的です。

「第2世代抗ヒスタミン薬」の市販薬

この第2世代抗ヒスタミン薬にはいろいろな種類があり、市販薬となっているものも多いです。ただし、パッケージに「第2世代抗ヒスタミン薬」と書かれているわけではありません。主成分をチェックしましょう。

ここでは、代表的なものを紹介します。

【一般名(成分名) ⇒ スイッチOTC医薬品】

・セチリジン塩酸塩⇒「ストナリニZ」「新コンタック鼻炎Z」など

・ベポタスチンベシル酸塩⇒「タリオンAR」

・エピナスチン塩酸塩⇒「アレジオン20」「ポジナールEP錠」「アルガード持続性鼻炎シールド」など

・エバスチン⇒「エバステルAL」

・フェキソフェナジン塩酸塩⇒「アレグラ」「アレルビ」「フェキソフェナジン錠ST」「ノスポール鼻炎錠FX」など

第2世代抗ヒスタミン薬だけでもいろいろあります。1日1回服用のものもあれば2回服用のものもあり、また、成分名が違えば薬の効きの強さも違います。

市販薬を使うときには、薬局やドラッグストアの薬剤師にご相談ください。

受診の目安

「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」と「目のかゆみ」が、花粉症の4大症状です。

こうした症状が2週間以上続く場合は、花粉症の疑いが濃厚です。症状が起こっている原因を調べることでより適切な治療を受けられます。市販薬は“つなぎ”の方法と考えて、早めに医療機関を受診しましょう。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻の症状が強い場合には「耳鼻咽喉科」に、子どもの花粉症の場合は「小児科」に、目の症状が強い場合には「眼科」に、症状が重い場合には「アレルギー科」がおすすめです。

※参照

セルフメディケーション・ネット

http://www.self-medication.ne.jp/switch-otc/01.php

「アレルギー性鼻炎ガイド2021年版」

https://allergyportal.jp/documents/bien_guide_2021.pdf