医療お役立ちコラム

絆創膏の選び方

2023/08/01

ちょっとしたケガをしたときに、あると安心なのが絆創膏です。常備して持ち歩いている人も多いかもしれませんね。

絆創膏にもいくつか種類があります。用途に合わせて使い分けましょう。

絆創膏の種類

絆創膏には大きく分けて3種類あります。

一つは、おなじみの「救急絆創膏」です。「バンドエイド」などに代表される、パッドに粘着テープがついたもの。絆創膏と聞いて、まずイメージするものが救急絆創膏です。

2つめは、最近商品ラインナップが増えてきた「家庭用創傷パッド」です。透き通ったプニッとした素材の絆創膏を見かけませんか? あれです。ハイドロコロイドという素材が使われていて、「ハイドロコロイドタイプの絆創膏」「湿潤性の絆創膏」などと呼ばれることもあります。

もう一つは、患部に塗って使う「液体絆創膏」です。

ハイドロコロイドタイプの絆創膏とは?

おなじみの救急絆創膏はさておき、ハイドロコロイドタイプの絆創膏(家庭用創傷パッド)とはどんなものなのでしょうか。

これは、一般的な救急絆創膏よりも傷を早く、きれいに治す効果があるといわれています。

傷ができると、傷口から透明な体液(滲出液)がにじみ出てきます。この滲出液には、細胞の成長や再生を促して傷を治す成分が含まれているのです。ところが、傷口が空気に触れて乾燥すると、大事な滲出液も乾いてしまいます。

ハイドロコロイドタイプの絆創膏は、傷口をピッタリ覆って密閉することで乾燥を防ぎ、湿潤状態を保って、滲出液の働きを最大限に活用しようというものなのです。

ちなみに、救急絆創膏の場合は、滲出液が蒸発して傷口が渇いてしまいます。

ハイドロコロイドタイプは傷口を乾燥させないので痛みが和らぎ、浸出液の効果で早く治り、かさぶたをつくらないのできれいに治りやすい。良いこと尽くめなのですが、いくつか注意点があります。

ハイドロコロイドタイプの絆創膏の注意点

まず、ハイドロコロイドタイプの絆創膏(家庭用創傷パッド)は、ふつうの救急絆創膏に比べて価格が高い。ただ、はがれにくく、防水性も優れているので、交換の頻度は少なくて済むと思います。

また、ハイドロコロイドタイプの絆創膏はパッドが体液を吸収・保持して湿潤環境を保つことで自然治癒力を促すというもので、清潔な傷口に適しています。傷口はきれいな流水で洗い、小石などが入らないようにしましょう。ただし、消毒液は使わないこと。傷口を刺激して、かえって細胞を傷つけてしまう恐れがあります。

膿が出ていたり、汚れている傷口には使えません。

液体絆創膏とは?

一方、液体絆創膏は、透明な液体を塗って傷を守るタイプの絆創膏です。ひびやあかぎれ、さかむけ、小さい切り傷、すり傷に向いています。

透明なので目立たず、傷口にさっと塗ればいいだけなので、慣れると使いやすいと思います。ささくれができやすい人など、もっておくと安心かもしれません。

ただ、患部に直接塗るので、大きな傷、出血のある傷には向きません。

また、添加物でエタノールが入っていて、どの液体絆創膏もぬった直後はしみます。鼻にツンとくる独特なにおいもあります。

それぞれ一長一短ありますので、傷に合わせて選びましょう。