医療お役立ちコラム

睡眠薬、睡眠改善薬、睡眠導入剤、どう違う?

2023/09/01

睡眠薬と睡眠改善薬と睡眠導入剤――。どれも似たような名前ですが、その違いはわかりますか?

いずれも「眠れない」という悩みをもつ方が使う薬という点は同じですが、それぞれの特徴を知って、自分の症状に合った薬を使うことが大切です。

睡眠改善薬とは?

 まず睡眠改善薬とは、一時的な不眠症状を緩和するためのOTC医薬品(市販薬)のことです。「一時的な不眠症状」とはどういうことかというと、「精神疾患等病的な原因のない人が経験する一過性の不眠」のこと、とされています。

 睡眠改善薬の添付文書には、「日常的に不眠の人」や「不眠症の診断を受けた人」などは服用しないでください、と書かれています。つまり、OTC医薬品である睡眠改善薬は、寝つきが悪い、眠りが浅いなどの一時的な不眠が対象で、そうした症状が長く続いたり、繰り返される場合に長期連用することはおすすめできません。

 一般的に、睡眠改善薬の主成分は、かぜ薬や鼻炎薬、酔い止めなどにも含まれる抗ヒスタミン剤の一種である「ジフェンヒドラミン塩酸塩」というものです。風邪薬などを飲んで眠くなったことはありませんか? ヒスタミンは脳の覚醒にもかかわるので、その作用を邪魔する抗ヒスタミン剤は、眠気を誘発します。風邪薬や鼻炎剤、酔い止めなどにおいては、眠気は副作用ですが、その副作用を主作用として使っているのが睡眠改善薬です。

睡眠薬とは?

 睡眠薬は、医師の診察のもと、不眠症に対して処方される薬です。処方箋がなければ購入できず、ドラッグストアでは買えません。

 睡眠薬にはいろいろな種類があります。

 これまで中心的に使われてきたのは、「ベンゾジアゼピン系」「非ベンゾジアゼピン系」と呼ばれる睡眠薬で、脳の興奮を抑えて眠りやすくする薬です。

 それに対して、「より自然な眠りを」ということでつくられたのが、「メラトニン受容体作動薬」や「オレキシン受容体拮抗薬」です。メラトニン受容体作動薬は、睡眠に深くかかわるメラトニンの働きを強めて、自然に近い眠りを誘導するもの。オレキシン受容体拮抗薬は、脳の覚醒を促すオレキシンの働きを邪魔することで、脳を睡眠状態に導くものです。どちらも比較的新しい睡眠薬で、自然な眠りに近く、依存性が少ないというメリットがある一方で、効果には個人差があると言われています。

睡眠導入剤とは?

 睡眠薬は、種類によって、その作用時間も異なります。作用時間によって、「超短時間型」「短時間型」「中間型」「長時間型」の4つに分類され、寝つきの悪さに問題のある人は超短時間型、夜中に何度も起きてしまう人は短時間型や中間型など、困っている症状に合わせて使い分けます。

 このうち、作用時間の短い超短時間型の睡眠薬ことを「睡眠導入剤」と呼びます。つまり、睡眠導入剤と呼ばれるものも睡眠薬なのです。

繰り返される不眠は医療機関にご相談を

 一時的に眠れない、寝つきが悪いという場合は、市販薬の睡眠改善薬を使うことも一つの方法ですが、眠れない日が続いたり、繰り返されたりして、生活に支障を及ぼすような場合には、手近な市販薬に頼るのではなく、一度、医療機関へ相談することもご検討ください。

 不眠を改善するには、不眠の原因となっている生活習慣やストレスを見直しつつ、一人ひとりの症状に合った対処法を選択することが大切です。